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ヨコテとヨモダとマネジメント~人に動いてもらうときにいつも考えること~

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今週末は夏の全国高校野球、甲子園大会の開幕ですね。モーリの知り合いのお子さんも何人か出場を決めていて、今から彼らの雄姿を見るのが楽しみです。
 逆に不祥事、部員間の暴力(大抵は上級生による下級生への暴行)が発覚して出場停止処分に涙する球児の話題が出るのもこの時期。

今年はあのPL学園が、やはり部員の暴力事件をきっかけに監督が辞任、後任が決まらず事実上監督不在のまま大阪大会の決勝に進むも、近大付属高校に大差で敗れたことなどもセンセーショナルに報道されたりしました。
モーリも高校時代を野球部で過ごしました。
当時の高校野球はまだまだ「野生の大国」状態(笑)
下級生にとって上級生とは、「ほぼ恐ろしいだけの存在」でした。

今の母校はそんなことは全くないですよ、念のため…

ヨモダは私たちの1つ下の学年。
高校入学時に身長は183㎝体重75㎏。大人顔負けのド迫力の面構え、中学では地域全体の総番長のような存在でした。
反面心優しく、とにかく真面目に野球に取り組む男で、後に全日本のメンバーにも選ばれています。
そんなヨモダですが、高校では厳しい上下関係の前に、先輩たちには従順な態度をとっていました。
ですが私は、彼が上級生に心から従っていないことに気づいていました。
ひょっとしたらヨモダがその気になれば上級生の一人や二人、やっつけることは簡単だったでしょうし、彼もその事を自覚しながら我慢しているのが分かりました。
「野球を辞めたくない。甲子園に行きたい。」
そんな思いが、爆発しそうな彼の心を押さえていたのでしょう。
今でいう「うざい上級生」に辟易しながらもヨモダは真面目に野球に取り組んでいました。
ヨモダが自分から親しみを込めて接している上級生がいました。
ヨコテです。
ヨコテは私と同期。
俊足の外野手でセンス抜群。
性格は温厚の一言。
下級生をどやしつけるどころか、大きな声もあまり出さない大人しい男です。
そんなヨコテにヨモダはとても親しみを持っていました。
別にヨコテがヨモダを特別扱いしていたわけではありません。
ただヨコテは細かいことを責めるようなことはしませんでした。
他の上級生が、下級生に厳しく接しているのとは対照的でした
他の上級生が

「ヨモダァ!!ってんだゴルァ?」

なんていうところをヨコテは

「ヨモー、ちゃんとやれよ!」

と穏やかなもの。
でもヨモダが率先して言うことを聞くのはヨコテの方です
そんな場面を度々見てきました。
「予選を勝ち抜いて甲子園に行く」
目標を達成するためには厳しくあらねばならない
と盲目的に信じていた私が
「厳しくなくてもチームの統率は取れるのではないか」
と気づいた、原点のような体験でした。
ヨコテに特別なマネジメントの能力があったかと聞かれれば
微妙、と答えるでしょう(笑)
ただ2人は私に
「人間は好きな人物の言うことは聞くのだ。」
ことを端的に教えてくれました。
数か月後、私達の代は予選の決勝で敗れて甲子園行きをのがし
ヨモダの代は翌年、予選を勝ち抜いて甲子園に行ったのでした。
「ヨコテとヨモダ」ある意味で私の原点です。
夏の甲子園、8月9日に開幕です。