客数を増やしたいなら真っ先に接客・サービスを見直してみよう。お客様は寿司ではなくあなた自身をみています。

(はじめに:アイキャッチに使用した写真はフリー素材サイトからの転用であり、本文とは関係ありません。)

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すし業界の規模縮小が止まらないですね。

手元に「第20回 厚生科学審議会生活衛生適正化分科会:すし店の実態と経営改善の方策」と題した政府系の資料があります。発表は平成25年10月24日。

すし店を個人経営、有限会社、株式会社の3つのセクションごとに、また、商業立地、住宅立地、郊外の幹線道路立地などにも分けて、様々な角度から寿司業界の数字を提示してあります。

丹念に読みこんでいくと徐々に現在のすし業界の苦境が浮き彫りになってきて息がくるしくなるけど、興味深いのは落ち込みが比較的穏やかな大手すし店と落ち込みが激しい中小零細のすし店では、経営改善への取り組みに違いがあったこと。

苦戦する個人店

昨年度対比での今年度の売上高増減率を調べたところ、1%以上売り上げが落ちた店舗の割合は

全体 65.7%
株式会社 46.2%
個人経営 64.7%

逆に「1%以上増加」した店舗は

全体 10.8%
株式会社 29.7%
個人経営 5.7%

(※大手と零細の差を端的に表すために有限会社のデータは省いた。)

大手すし店の売上げは「減った」が「増えた」の1.5倍

個人店では実に12倍。小規模なほど売り上げ減少の割合が大きいと推察されるわけです。

遠近感が狂って見逃してしまいそうだけど、大手でも売上げの落ち込みに苦しんでいる様子がうかがえます。

大手と個人で異なる今後の施策「で、どうすんの?」

次に「今後の経営方針」についてみてみると下の表のようになってます

個人経営店 株式会社
1位 メニューの工夫 39.8% 接客サービスの充実 58.2%
2位 接客サービスの充実 31.1% メニューの工夫 54.9%
3位 価格の見直し 18.0% 広告宣伝の強化 29.7%

質問には他に

・経営指導を受ける

・施設設備の改装

・事業規模の拡大、縮小

・他業態への転業

など19種類の項目がありますが、上にある項目以外はあまり回答がありませんでした。総じて5%未満。

でも、「廃業」という項目があり個人経営の12.8%がこれを「選択肢の一つと考えている」との回答は生々しいです(株式会社は2.2%)

背景には個人経営店の人材、後継者不足、高齢化など要因は様々で一概に原因を特定することはできないです。

ただ、比較的善戦している大手と、苦しい立場の個人経営で明らかな差異があることは見逃してはならないと思う。

 

大手は経営改善策として「接客・サービスの充実」を強調

大手は6割近くの会社が「接客の改善が急務」と答えているのに対し、個人経営では40%。

同じ今後の施策、について今度は一般の寿司店と回転寿司で比べると

一般店で「接客サービスの充実」を上げたのは36.8%で、回転寿司では75.8%と大きく差がでました。

 

一般店は接客サービスに対して脇が甘い傾向があるのでは?

「どちらかというと一般店側の領域に立つすし職人」として自戒をこめて言わせてもらうなら

「我々タチ店の経営者はエンターテイメントとしてのすしをなめてかかっているのではないか」ということ。

経営者の高齢化が進む一般店(10年以上経営している店舗が72% 50代以上の経営者は78.9%)では、「昔ながら」を大事にするあまり、現代のお客様のニーズを置き去りにしてきたのではないだろうか。

通常、経営者は経営者になった瞬間から誰からも「ダメだし」をされないです。

知らず知らずのうちに自分本位の経営になってしまうことはよくあること。

経営者自身が察客やサービスにもっと敏感であるべきでしょう。

「接客サービス」には従業員の身だしなみも、店舗のクリンリネスも、言葉づかいも、顔の表情さえも入ります。

あなたのお店は大丈夫ですか?

合格点の接客をするすし職人は少ない

仕事柄、飛び込みで「街のすし屋」に入ることが多い(つまり私は一見客)が「また来たい」と思わせる店は高級店を含めて本当に少ないです。

どの店も一生懸命やってはいるのだけど、なんだかバランスが悪いというか力の入れ所が間違ってる感じ。

話してみれば気さくな大将なのにそれまでは取っつきづらく、注文しにくく、居心地がわるいです。

どうして初めからその色を出してお客様を楽しませる(またはウェルカムオーラを出すだけでもいい)方にエネルギーを使わないのか。。

すしざんまいの木村社長は「すし職人はエンターティナーでなけらばならない」と言っていますね。

お客様がそれを求めていることを知っているからです。

日曜日の夜、家族で「何食べようか?」「お寿司ー!」そんなときに頭に浮かぶイメージは

「家族でお寿司を食べに行こう!」と誰かが言った瞬間から、みんなの中には楽しくお寿司を食べる風景が浮かぶものです。

聞き漏らさないようにもう一度言いますよ。

楽しく食べるイメージです。

天然もののお寿司を食べるイメージなんて普通の人は持てません。

究極の寿司職人のワザ、を堪能するイメージでもないのです。

家族で美味しいお寿司を楽しく食べてニコニコ笑っているイメージです。

イイか悪いかではありません。それがお客様の姿です。

その流れはこうです

店を入った瞬間に威勢のいい明るい声で「いらっしゃい!」と迎えてくれ

席に着くと「さあ何からにぎりますか!?今日は〇〇がいいですよ!」と盛り上げてくれる。

タマにはちょっとびっくりする寿司ネタがあったり、板前さんからお子さんに玉子焼きをプレゼントしてもらったり。。

あなたのお店ではそんな期待にきちんと応えてあげていますか?

それをずーーーーと続けていられますか?

商売の基本はお客様の期待に応え、相応のお代をいただき、利益を出す、です。

裏切るから次から来てくれないのです。

 

ただ回転寿司もそんな期待にちゃんと応えているとは思えないですね。

だから回転寿司に対する失望の声も巷には溢れています。

でも、どちらかというと回転寿司のほうがそんなイメージを大切にしてくれている。

だから「お寿司をたべに行こうよ」となったときは回転寿司にお客様があつまり

個人経営の店は選んでもらえないわけです。

 

もう一度見直してみよう自分の店、自分の姿、心

さっきも言いましたが私は「個人経営の街店」の人間です。

でも回転寿司の手法と考え方はもの凄く勉強になるし参考にしてきました。

この業界に入った最初の何年かは寿司の技術、魚の知識、料理のカン所と本気で勉強し修練を積み上げたという自負はあります。

でもその後職人ではなく経営者としてお客様の顔を見たとき、

「自己満足の技術や努力や知識を前に出す寿司屋は多分キケン」

とハッキリ気づきました。

お客様は「単に美味しい」ことが重要なのであり板前の能書きは脇役でしかない。

そして「美味しい」は「楽しい」が前提なのだ、ということです。

そのことを常に思いながら25年間商売してきました。

その結果沢山のお客様に自分の店を愛していただき、店を閉めた今も交流は続いています。

あなたのお店は楽しいですか?

まとめ

資金力などをみても個人経営の一般店に回転寿司や大手すしチェーンのマネはできません。

ただ、彼らがお客様を集め続け、企業としても成長していることから学べるものは沢山あります。

寿司店の衰退の原因を景気のせいにしていたら今後の復活はありません。

お客様はすしに飢えています。いつも同じ回転寿司ではなく、近所の美味しいおすし屋さんに行きたいのです。

街の商店街の小さなすし屋が、家族や友人との団らんをフォローしてくれる「楽しい場所」なら

「是非行きたい」とおっしゃるお客様は絶対に沢山たくさんいます。

がんばりましょう。

 

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