腕といっしょに言葉も磨こう

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「俺はすしを握りに来てんだよ。従業員に気を使いに来てんじゃないんだよ。」

自分の店で商売していたころ、臨時で働きに来ていた職人が
どうにもカリカリと態度が悪い
「もう少し穏やかに仕事してほしい」と伝えたときの返事がこれです。
実際にお客様にはフツウに接するのですが
閉店後や開店前の準備は手が付けられないくらいにイライラと怒りっぽい
そしてとにかく言葉に棘がある
何を作っても切れのあるいい仕事をする職人でしたが
3日くらい来てもらってすぐに辞めてもらいました

すしを含め、飲食は生産性がよくない業種です
少しの利益を得るのに何人もの人が働きます

飲食は「集団競技」「団体スポーツ」なのです
チームワークを良くして、バッテリーも内野も外野もみんなで頑張らないと
中々連勝続きの好チームにはなりません

一昔前は「腕がいいけど無口で偏屈なおやじ」みたいな職人が沢山しました
でもこれからは難しいと思ってください

若年者に仕事を教えたり
仲間と意思の疎通を図るのに
言葉をきちんと使えないのは致命的です
人間はみんな感情があり、感覚も一人ひとり違います
必要なことは正確にきちんと伝え
ときにおいて相手の状況や表情を汲んで言葉を選び
仲間としてのつながりを強くしながら前進する能力が必要なのです

すしを勉強する若い人たちをみると、この言葉のやり取りが上手くない人が多いです
頭の中が整理できてないのもあるのでしょうが、とにかく言葉での表現が未熟です

ずっと下っ端ならいいのですが、誰だって長く働いていれば後輩も同僚もできるでしょう
特に弱い立場の後輩を優しく、でもきちんと教育しようとするときに
効果的な言葉の扱い方を知っていることは
その後輩にも自分にも大きな助けになるでしょう

沢山の友人と話し、本を読んで
言葉やコミュニケーションというものの大切さをもう一度考えてみるのはいかがでしょうか