部下を持つ人は数字や管理技術と同時にあなた自身の心を磨く必要があります。王道と覇道について。

Mencius2

王道と覇道という言葉をご存知でしょうか。
元々は紀元前300年のころ中国の孟子が唱えた考えです。

覇道とは、力(による恐怖心)で民衆を統率する政治であり
王道とは「徳」によって民衆を束ねる政治の在り方のことを言います。

孟子は覇道を全面否定しているわけではありませんが
王道は覇道に勝る、と明確に規定しています。

この、王道は覇道に勝る、という考え方は
2000年以上経った今でも健在です。

それは
JALを再生させたあの稲盛和夫氏や、
3期連続赤字の「ザ・ボディショップ」を
1年でV字回復させ
「スターバックス」の年商を1000億円超えさせた
岩田松雄氏らの著書のなかで異口同音に
「徳をもって人心を鼓舞して業績をあげる」
として明らかです。

覇道の「力」とはお金も含みます。
「〇〇が出来るようになったら給料がいくら増える」
「売上げが〇〇を超えたらボーナスいくら」というやつです
岩田氏は、これらの施策も一時的に効果がないとは言わないが
現場のスタッフに本当の意味で業績を上げてもらいたいなら
やはり人徳のあるリーダーは不可欠だと言います。

人間はやはり
「この人に着いていきたい」と思える人とでないと
本当の意味でモチベーションが沸かないのかもしれません。

岩田松雄著
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

実は私も
「このレベルになったら給料がいくら上がる」
「次にこのレベルに達したらさらにいくら上がる」という
いわゆる覇道の考えを、
「分かりやすくていい考えだ」と思っていたことがありました。

人間の心はそんなに簡単で単純ではありません。
あの東北の震災では
この夏までに計137万人ものボランティアが
復興のために汗を流しました(社会福祉協議会調べ)
とかくドライになったと言われる今日でも
人間は損得だけで生きてはいないのです。

就職に有利だからボランティアに参加する。という人がいることも承知です。
就職に有利だから、というが発想が原点にあったとしても
実際に被災地に行って汗を流すということは、それでお釣りがくるほど生易しいことではないでしょう。
お金や強制ではなく、自分の心の衝動で動くことができれば
人は凄い力を発揮するものなのだと思います。

勿論お金は必要です。
階級に応じて適切な賃金をもらうことが
大前提ではあります。

でも毎日の仕事に我を忘れて取り組むには
お金や「上司が怖いから」という感覚ではなく
もっと心から湧いてくる使命感のようなものが必要だと私は思います。
それを喚起するのが上司の存在であり
その上司が唱える、又は指し示す理念や価値観への共感なのです。

過去のブログにも書いてきましたが
私はいわゆる「昭和の時代の運動部」を過ごしてきました。

同年代や年上の方にはお分かりでしょうが
その年代の運動部はまさに「覇」が支配していました。
そのよりどころは「年上だから」この1点のみです。

1年早く生まれたのは彼の努力の賜物ではありません。
まさにたまたまですね。
でもこうして「先輩」として下級生を殴ったりするわけです。
孟子が覇道を否定しないように
私も年の上下で礼節を重んじることを否定しないし
それどころか無くてはならないことだと思っています。

それでも、いざ日常の業務のなかで
職場の先輩だから、上司だから、という理由だけで
人心をコントロールしようとするのはムリです。
断言しますが立場の上下では人は動きません。

稲盛氏や岩田氏が
「私の方が立場が上なので私の命令に従いなさい」と発言したとして
あの驚くべき業績は出せなかったでしょう。

何年も続く企業経営のなかで
継続性をもって従業員がモチベーションを維持できるのは
上司が怖いから、とか給料が上がるから、ではなく
「その人についていきたい。その人と共に歩みたい」という
徳に対する思慕のよな感情があるからこそです。

稲盛氏や岩田氏のみならず
成功しているリーダーは必ずこの「人徳」があります。

そう
あなたが部下を持つ身なら
数字管理の知識だけでなく
あなた自身の人格や人徳を
きちんと高める努力をする必要が絶対にあります。

「スタッフのモチベーションが今一上がらないなぁ」と思っている経営者の方
部下を抱えているマネージャー諸氏に、参考にあんればと思います。
↓「部下をやる気にさせる7つの鍵」稲盛和夫著
稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA