すしは海外移転のお手軽な道具ではない

susi
すしを武器に海外に出て行こうとしてる人が多いです。
センセーショナルに報道されたり
大成功を納めた人を取材したりして、大袈裟に報道されています。

「日本にいてもいいことないから寿司でも覚えて海外に行くか・・・」

この空気を私は心配しています。
理由は簡単
「そんなに簡単ではないことを知っているから」です。

勿論成功の可能性はゼロではありません。
海外で優雅に暮らしている人は実際にたくさんいるし
すしの会社を興して成功している社長も何人も知っています。

「現地ではまぁまぁの生活ができる」程度でいいなら仕事はあります。
でも、現地ではまぁまぁでも円との貨幣価値と考えると報酬がいいとは言えないです。
3年程度で帰国になったらその後はどうしますか。

それでもいい、カネはいいからとにかく日本から出ていきたいだけ
それなら手軽に現地でバイトする手段としてすしを使うのもいいでしょう。

本来、若者は自分の生まれた地域でずっと生きていくことに敗北感を感じるものです。
若者が「世界」を夢見て、海外で暮らすことに漠然と憧れを持つのは当然なのです。
それに今の日本社会の閉塞感。
でも状況を見誤ってはいけません。
断言しますが、日本は今でも世界で一番住みやすい国です。
あなたの将来が不安なのと、海外への憧れを混同しないでください。
まして・・・

「すしがちょっと出来れば海外でがっぽり稼げる」

ってちょっと笑ってしまいます。
もう敢えて言わせてください。「あほですか?」

テレビに踊らされてはいけません。
学校を出て海外に行っている人は何人もいます。でもワーキングホリデーを利用した
いわば体験生活どまりの人も相当数含まれているのです。

学校に通いさえすれば海外に行ける、と思っていた人は、途中から慌てはじめます。
こんな筈じゃないんだけど・・・。
最初から「こんなハズ」なんです。当たり前です。一年間ガッコウで寿司を教わったくらいで
人様からお金を「沢山」←(これ重要)貰えるほど甘い世界があるわけがないのです。
せいぜい「少しでいいから寿司を握ってくれる安い労働力」を募集、程度です。

「楽しかった」といって海外生活から戻ってくる卒業生と話す機会は何度もあります。
でも彼らの今後は決まっていません。
「回転寿司でアルバイトでもしようか、ちゃんとした店で修業しようか」
そんな選択です。そしてまた言うのです。「こんなハズじゃ・・」

こんな話を聞くたびに、私はとても自責の念に駆られます。
将来を信じきって、公務員を退職してまで入学した人もいました。

因みに学校は海外移転を保証していないし、自己責任であることはキチンと説明したうえで
生徒を入学させていますから、悪質ではあるとはいえません。
そう、自己責任なのです。

どうか焦らないでもらいたいと思います。
授業中私は生徒たちに何度も話しました。
「日本で通用しない半端職人が海外で稼げると思ったら大間違い。だから先ずは日本で通用するまでしっかり修業を積んでほしい。」と。

それでもすしへの修業は長い時間がかかります。
もしその時間がない、又は惜しい、と考えるなら学校に行って勉強するものいいでしょう。

海外就職への足掛かりとして、すしを学校で覚えようという選択肢は
否定しません。

ただ、ワーホリでちょっと海外生活する程度なら寿司は必要不可欠とは言えないし
そこに大きなお金をかけることには「自己責任で」ちゃんと考えてと言いたいです。
すしを志すなら、たとえそのスタートが学校であったとしても
真剣に考えてみてはいかがですか。
世界に誇るべきすしの文化をその気になればあなたは手に入れることができるのです。

技術的な基礎を学校で学び、国内の店舗で現場の厳しさを身に着け
自分の価値をしっかり作ってから海外へ行くべきです。
本当の意味での海外移住が成功する可能性が高まるからです。

すしを志し、その道で生きていくということは
「カネが稼げれば、海外で暮らせれば、寿司なんてどうでもいい 」
という軽さとは相いれないものだと思っています。

まとめ――
すしを海外移転の道具、程度に思ってお手軽に身に着けようとすると失敗する。

んでは