頑張れ中年すし職人 海外移住の夢はまだ終わらない

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昨日、かつて教えていたすし学校の卒業生から電話がありました。
「先生、ビザの件、正式にダメになりました・・・。」
すこし酔っているロレツで、無理に明るく振る舞っているような口調でした。

私と同い年(昭和41年生まれ)の彼は、大好きなアメリカでの生活を夢見て
20年以上務めた公務員を途中退職してすし学校に入学してきました。

決して器用とは言えないですが、非常な努力家で授業後は必ず残って自主的に練習していました。

卒業後も自費でニューヨークに行き、すし店に突撃して仕事を手伝わせてもらい
「ビザが出たらすぐに採用してくれる」と約束してくれる店舗を探し出し
弁護士を雇ってビザ獲得に向けて万全の努力をしてきました。

結局ビザはおりず、米国移住の目標は達成できなかった、との報告の電話だったのです。
今後は半蔵門にある高級すし店で本格的に修業をしていくとのこと。

勇気ある決断だと思います。

「肉好き」を公言してやまない彼は、もともと寿司には興味がなかったのです。
単にアメリカに渡る武器として寿司を覚えようと思ったのです。
私が知っている人の多くは、外国に行けないとわかると飲食から離れてしまいます。

彼はもう一度きちんと勉強しなおそうと思い立ったわけです。
46歳にして腰を据えて寿司の修業をしようと思いたつには強い覚悟が必要です。
おそらく周囲は自分より年下の先輩ばかりでしょう。
憶えが早いとは言えない彼は、現場でつらい思いをすることもあるかもしれません。

この2年間、アメリカ行きにかけたその情熱を
どうかこれからの数年間、自らの成長のために燃やし続けてください。
あなたのようなマインドをもった職人を現場では必要としています。

そして誰にも引けをとらない立派なすし職人になってください。
20年の公務員としての経験や
自分からアメリカの店舗に押しかけるバイタリティは、
他のすし職人が持ち合わせない変えがたい財産です。

そしていつか向こうから言ってくるのを待ちましょう。
「こちらに来てビジネス展開しませんか?」と。

だいじょうぶ、アメリカはずっと待っていてくれます。