寿司店経営|街のすし屋に明日はある!-7- 10年後を見つめて日々勉強しよう 

寿司店経営|街のすし屋に明日はある!-7-

今と将来の自分の立ち位置を決めておこう

成り手が少なくなったとはいえ

今現在、寿司職人を目指して修業している人は沢山います。

彼ら(女性も勿論いますが、性別を越えた呼び方が見当たらないのでここでは「彼ら」と呼ばせていただきます)は

一様に”一人前の寿司職人になりたい”と思って毎日働いています。

このブログを呼んでいただいている諸君もいることでしょう。

今日の記事で自分の将来を少し具体的にイメージできるようになるといいと思います。

 

一言で寿司屋といってもその立ち位置は様々です。

大きく分けると

チェーン店タイプと個人経営タイプです。ざっくり特徴を言うと

◆チェーン店タイプ

チェーン店とはどこでもいつでも同じ商品を同じオペレーションで提供する形態のことです。一つの会社で10店舗持っていても、全て違う形態だったり、同じような店でもオペレーションやメニューが違うのではチェーンとは言いません。

寿司業態をこれに当てはめるとやはり全国展開している回転寿司や宅配寿司、テイクアウトに特化した「ちよだ寿司」などがこれに当てはまります。

働く環境を重視する人にとっては会社の土台がしっかりしていて安心できるし、個人のセンスをそれほど求められないので

ある意味で働きやすい、というメリットもあります。

反面、画一的な作業が多いので発展的に学びたい人にとってはワリとすぐに限界を感じてしまうそうです。

◆個人店タイプ

これには

  1. 比較的大きな資本で運営するタイプと
  2. 個人かまたはそれに近い法人で出店したタイプ

に分けられます。

更に、それぞれに

  • 居酒屋と寿司の複合タイプ
  • すし専門店タイプ

に枝分かれしています。

◆親会社ありのタイプ

仕入れや什器の補充、ポップの製作などの販促活動などはほぼ全面的に会社側が見てくれます。

板長または店長をトップにしたピラミッドがあり、商品開発に関しては彼らが本部と共に作ります。

中堅と言われる価格帯である程度利益を出している店はこの形態が多いです。

腕のいい板長がいることが多く、技術を身につけるうえで申し分ない環境と言えます。

反面、全員が被雇用者なので「給料をもらう」という感覚が生まれやすく

独立した時の「自分の取り分をたたき出す」という感覚をつかむのに苦労する人もいます。

◆個人店(小規模法人を含む)

オーナーの商才で運営されていることが多く、残念ながら「当り外れ」があるのも純然たる事実です。

(そのためにこのブログを書いているのですが・・)

人間味あふれ、多くのお客様に愛されている個人経営者と小さなチームで働けることは

独立を目指す若者には無二の、生涯の財産となります。

店舗運営で発生するありとあらゆることを自分でやるか、または外部に発注することになり

どちらにしても全て現場で関わって作り上げていきます。

反面、残業や休日の扱いがきちんとしていなかったり、少人数がゆえに仕事がハードだったりと

苦しい思いをすることも多くなりがちです。

 

◆それぞれの店に良し悪しがあり、それが将来の自分を作っていく、という感覚を。

今修業中の諸君がいる店も、このどこかのカテゴリー当てはまるわけです。

それぞれの店で売り物が違うし、売り方も違います。

銀座の高級店で修業をした人は、下町の大衆寿司店で結果を出すのは難しいかもしれません。

逆も勿論そうです。

どちらが上かではなく

「それぞれちがうのだ」ということをしっかり認識しておいてください。

そのうえで

「自分は10年後にどうしていたいのか」

を見つめてほしいのです。

漠然と一人前になりたい、と思っていても

それが何を意味することなのか本人にも分かっていないことが多いのです。

何をもって一人前なのか?

今いる店で付け場に立てれば一人前なのか?

独立開業が一人前か?

このイメージを持っておかないと

今いる店が自分が欲しいものを掴める店かが分からないわけです。

 

まず大きく分けて

  1. 独立して自分で商売を起こすか
  2. 一生どこかの会社に雇ってもらうか

の二択です。

ここだけでもイメージをもってもらいたいのです。

私がこのブログでずっと言っていることは

「寿司だけ握れても先は危うい」

ということです。

「いや他の料理もできるし」ってそういう意味ではありません。

どんな道を行くかに関わらず

寿司の技術意外の能力がどうしても必要です。

ということです。

 

a「自分の店をもって独立」を選ぶ人

寿司職人、経営者、教育者など、全方位である程度の勉強をしておく必要があります。

これからの時代、とてもじゃないけど「寿司職人」だけで店を経営していけるものではありません。

「きれいな店で、美味しいお寿司を、いい雰囲気で、妥当な価格で」

という当たり前で単純なことですが

個人経営の店で実現するには、きちんと思考が立っていないと難しいのです。

店が汚かったら若い衆を怒鳴り散らせばきれいになる、と言う時代ではないわけです。

(まぁ、ですからそのためにこのブログを書いているんですけども・・・)

それでも、自分の店が軌道にのって利益を生み始めると、それまでの苦労はすっかり忘れて

「人に使われて安い給料もらうなんて、やってられねーよなあ~」

なんて言える瞬間が来ます。

ウオ―とガッツポーズをする瞬間です。

独立の醍醐味ですね。

b「給料をもらって生きていく」を選ぶ人

妙な対比にみえるかもしれないので最初に言っておきます。

これを選ぶことは負けることでも恥ずかしいことでもありません。

必要とされる技術を持っているからこそ雇用先があるわけです。

まさに「手に職」の真骨頂です。

 

どんな会社でも組織はピラミッド型をしています。

上に行くほど人数は少なくなるわけです。

飲食業の特徴として会社の利益はピラミッドの底辺が生み出しています。

そこはとても楽しくやりがいのある職場である反面

現場にいる限りずっとピラミッドの下の方、という宿命をもっています。

端的に言うと現場で働いているうちは給料には限界がある、ということです。

「雇用してもらう」のなかでも「海外」を目指す人は

まずこの辺りをきちんと認識しておく必要があります。

 

その給料ですが日本では現場で働く場合

今現在の経済状況では月35万(年収420万)が限界と言われています。

若いうちは魅力的な数字かもしれませんが、もしこのまま年収が頭打ちだとしたら

やはり階段を上がらないと収入はあがらないということです。

寿司や料理を覚えただけでは管理職にはなれません。

長く働いている、ということはそれなりに貢献しているとも言えますが

残念ながら職歴の長さと給料はリンクしません。

健全経営の会社ほどそうです。

大きな会社は人事考課制度が確立されています。

給料は役職で決まるのであり

「もう〇年も働いているのだから給料上げてください」

と言っても通じません。

名の通った店で働くことの高揚感はありますし、仲間も多いのでそれなりに楽しいけど

給料を上げたければここでもやはり勉強が必要です。

それは、一つ職位を上げるための勉強、の他に

社会や会社について、年相応の知識と常識はきちんと身につけていくべきです。

会社が求める社員像、管理職象など

組織ごとに違うもので、社風などにも現れます。

「寿司屋の板さん」をただ目指しているだけではずっと現場

という何となく悲しい状況になりかねません。

 

◆将来を決めないと今が決まらない

先述しましたが、寿司屋の在り方は本当にさまざまです

「今所属しているのがどんなタイプの店で何を売りにしているか?」

それに対して

「将来自分がいる店はどんな店で何を売りにしているか?」

こういうことを頭で考えておく必要があります。

「ただ漫然と働いて何となく給料をもらう」

これが一番こわいのです。

若いうちは良くても年齢が進むと厳しさを肌で感じるようになります。

そんな職人を沢山知っています。

 

「こんな物件が出たんだけど店出さない?」のように

急に話が舞い込んでくることもあります。

いざ自分の店を出すときに、どんな商売をしていくのか、何も考えていないまま話が進んでいくことになりかねません。

「10人も人を使っている今の職場と同じメニューを自分の店でやることは不可能だな」

「自分とアルバイトの二人だけでやるとしたらどんな商品構成にするべきだろう」

そんな風に日頃から考えておくことが経営者、または企業の幹部としての切れ味を生み出します。

 

寿司屋で働いている皆さん

日々勉強です。

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