寿司店経営|宅配(出前)を始めるときは注意が必要です

宅配は売上げアップを狙う大きな選択肢です

寿司店の経営者改善に宅配は重要な選択肢の一つです。

店舗に来店してもらう”待ちの営業”から積極的に集客する”攻めの営業”にシフトさせるわけです。

私も自分でチラシをデザインし周辺にポスティングして売上げを大きく伸ばしたことがあります。

配達だけで通常の月で50万、繁忙期には100万円の上乗せがありました。

街の寿司屋にとっては大きな金額です。

ですがどのタイプの店でも宅配をはじめていいわけではありません。

宅配をはじめるには周到な入念な検証が必要

あなたが現在寿司の仕事をしているなら理解できると思いますが

カウンターがいっぱいのときに出前の注文が入ると非常に厳しい状態に追い込まれます。

配達のアルバイトの確保も容易ではありません。

人が足りない時に出前の注文が入ると、今店内にいるお客様に対して

すべてが中途半端なサービスになってしまいます。

・注文した商品が出ない

・お茶が出ない

・会計が遅い

・職人はテンパってて注文できない

などです。

そして店内の忙しさと出前の忙しさは

「嫌がらせか」と思うくらい同時にやってきます(笑)

ラーメンやそばを10人前作るのと寿司を10人前作るのは

その仕事内容や量、工数において全く別物です。

麺類などは3人前5人前と同時に調理できますが寿司はできません。

店内が忙しいときに職人が10分15分と出前の寿司をにぎっていては

とてもじゃないけどお客様を満足させることはできないのです。

結果、店内、配達どちらも取り組みが半端になってしまいます。

一昔前ならカウンターのお客様も

「出前がひっきりなしでいいねー」

なんて気長に待ってもらえましたが

現代の商売ではあまり期待?はできません。

ある程度の活気はお客様にとってもいいBGMになりますが

自分の注文した商品が出てこないのは許してくれないです。

自分以外のスタッフににぎってもらう。

解決法はバックの厨房とスタッフを有効に活用することです。

普段はあなたのにぎりを売りにしている店でも

宅配に関してはアルバイトやパートさんにある程度はにぎってもらうのです。

この切り替えができるかを先ずは考えてください。

店舗によってはマシンを入れることも検討すべきでしょう。

そのためにはマシンをおくスペースも必要ですし

スタッフのトレーニングも必要です。

食材の保管場所も変わる

ネタも裏の冷蔵庫にあらかじめ準備しておかないと速やかににぎり始めることができません。

そこでまた裏の冷蔵庫の地図の書き換えが必要になります。

周到に、クレバーに準備をする必要があるのです。

配達スタッフと店内スタッフの問題

これらを分ける必要はありません。

通常は店内スタッフをしてもらい、配達の注文が入ったら配達してもらうわけです。

人員についての注意点を書いておきます。

採用時に業務内容(店内・配達・ポスティング・容器回収などがある)をきちんと説明し了承のうえで採用する

配達の注文が多くなると店内は混乱します。上司であるあなたもついつい興奮しがちに。そして注意したいのは配達を急かすと事故の遠因になりうること。ケガをして本業の勉強に影響を出させては申し訳ないですね。「店内の作業はするが運転は苦手なので」などの申し出を受けることもあります。面接のときによく話し合い、納得してから採用してください。

また業務の内容から必然的に男性の出番が多くなります。女性は華があるので店内での業務にも向いていますし、加えて配達もこなしてくれるのならこんなにいいスタッフはいません。

敢えてここを狙い、「免許有りの女性スタッフ」を好条件で採用するのもありです。

免許の有無とそれにより時給に差があるか

徒歩や自転車でしか配達に行けない人と、バイクや車で大口の配達をしてくれる人では経営への貢献度は違います。多少でもいいので差は着けるべきでしょう。原付の免許取得費を補助するなどもありです。この場合、未成年なら必ず親の承諾書をもらってください。

事故に備えての保険の整備

事故はつきものです。そう腹をくくることが大切です。必ず保険に加入し採用時に伝えてください。「万が一の時に保険で守られている」との心理的なゆとりが生まれます。そして必ず運転の練習をしてください。開店前30分早く来てもらい、自分も時間を開けて外で練習します。発進、止め方、バッテリー上がりのときのキックスタート、二段階右折など、何度も練習して身体で覚えてもらいましょう。何度も乗っているうちに本人から「こんな時は?」のような質問も出るようになります。

配達員は店のノボリ

若い男性スタッフはついついバイクを飛ばしがちです。万一事故を起こしたり、そうでなくても周囲の方に不快な思いをさせる運転は店のイメージを損ねるものです。

  • 常にみられていること
  • 第一の正義は無事故であること

をつねに徹底しましょう。

その他留意すべき点

ここまで書いてきた以外にも注意しておかなければならない問題がいくつかあります。

  • 配達に使う車輛(自転車?バイク?車?)と置き場所は大丈夫か?閉店後や休日の保管場所は?
  • 容器の保管場所(意外に場所を喰います。狭い店は注意。)
  • 顧客管理ソフト。これがあると前回の注文内容、クレーム内容などが、電話がかかってきた時点でわかるので非常に便利
  • 各種マニュアル(金銭・トーク・クレーム対応・事故対応など)整備
  • チラシの作成、印刷、配布方法の検討(チラシの保管も場所を喰います。ポスティング会社保管もあり。)

寿司店の経営改善に宅配は有効だが注意が必要

多くのコンサルタントが寿司店の経営改善に宅配を勧めるのは

効果が現れるのが比較的早く、成果を実感してもらいやすいからです。

数多いるコンサルタントにとって寿司店の経営改善コンサルは実は悩みの種です。

計測不能(職人の腕頼り)な作業が多すぎてコンサルできないのです。

その点、宅配業務は数字の管理ですべて掌握できます。

顧客獲得コスト・反応率・リピート率、すべてが明確に管理できるのでコンサルしやすいのです。

それに、今日では宅配に関する業務はすべてコンテンツ化されています。

ノウハウ化されているので導入が楽なのです。

そうでなければこれほど多くの宅配業者が乱立するわけがないですね。

でも既存の寿司店との両立となると話は別です。

あなたが2人、3人といればいいのですがそんなわけにもいきません。

ここまで書いてきた内容を今の営業にそのまま上乗せして履行できますか?

安易に導入すると、途端にすべてのものがグラグラと揺れ始めることになりかねません。

始めるときは十分に考えてからにすべきと思います。