全国のおっさんすし職人に告ぐ。頭を切り替えて儲けを出そう。

街の商店街のすし屋を復活させたい。

私の願いです。

個人経営の寿司屋の衰退は目を覆うばかりです。

厚生省の平成14年の調べでは、個人経営のすし店の70%が経営者が50代以上です。

そのうちおよそ13%が「経営の改善を目指さず廃業する」を意識しています。

利益の減少、後継者問題、回転寿司と超高級すし店という客の二極化。

街の商店街のお寿司屋さんが生き残るのに、いいニュースがありません。

あきらめムードになるのも分かります。

でも

と私は思います。

本当にやることをやった上での現状なのか。

すし職人が書いた文章は進んで読みますが、違和感を感じることが結構あります。

曰く

「最近はすし職人とは名ばかりでやたらと商売上手なのがいましてね、昼と夜でネタを変えてランチでもしっかり利益をだそうとしてる店がいくらでもあります。」

曰く

「市場で魚の仕込みを半分やらせて、自分たちは握って出すだけ。これじゃお客様に申し訳がない。ウチでは最初から最後まで職人が責任をもってさばいてます。最近はそこら辺を分かってくれるお客さんが減りましたね。」

曰く

「やせ我慢して高いネタ仕入れてるのに平気な顔してポンポン注文されるとムカッとしますね。」

これ全部「ベテランすし職人」の言葉です。

オブラートに包まずに言わせてもらいますが、

「もの凄い勘違い時代おくれすし職人」

です。

いえ、知ってます。

私が修業に入ったころは確かにこんな空気が残ってました。

お客様は何となく”恐れ入りながら”、”ありがたがって”すしを食べてました。

そして合ってるか合ってないかわからない勘定を涼しい顔して払っていました。

そんな時代だったのです。

昔は!!です!!!

私の店もそうでした。

雇っていたすし職人(私にとっては先輩なんだけど)は気分の波が激しくお客様に嫌な思いをしょっちゅうさせていました。

彼ら昔かたぎのすし職人には特徴があります。

店が忙しいと怒り出すのです!!

忙しいって店にとっていいことです。嬉しいことです。

でも彼らは怒り出すのです。

「手は二本しかないんだからポンポン注文するの、考えてくれないかな!?」

とかお客様に言っちゃう。

お客様にこれだから私などもよく腹いせにドヤされたものです。

 

先ほどのすし職人のセリフ

「最近はすし職人も商売人になって・・・」

そうです。

「真のすし職人は商売や経営には無頓着であるべし」と言ってるのです。

このセリフ、この価値感!

そりゃあ寿司屋がなくなるわけだよな。

これだけ外食環境が成熟して、お客様から見たら選択肢が広がって情報も集め放題になってるのに

すし業界をリードしていくべきベテラン寿司職人が「経営のことは知らん」て平気で口に出しちゃうわけです。

程度の差こそあれ、こういう価値観の人が自分の店を構えていたのが今までの個人経営の寿司店なわけです。

そしてその多くが中間価格帯のお店、街の寿司屋なんですね。

だから中間層のすし屋が消えそうなのは時代の流れと言うより内部の問題も大きいのだと思っています。

 

お客様は「超高級の寿司か回転寿司以外は食べない」なんて言ってません。

普段使いで普通に美味しいお寿司屋さんがあれば利用したいのです。

そんなお店がないだけ

「大して美味しくもないのに、何だか無愛想な職人にペコペコして何千円も払いたくない」

ってだけ。

実際「何千円も払いたくない」その人が

ワインバルやイタリアンでは何千円も使ってますよね。

 

寿司職人のこの現状、仕方がないと思う背景はたしかにあるんです。

イイか悪いかではなく、すしの勉強だけしてきたわけです。

ひたすらに「本物」を追っていればよかったのです。

骨身を惜しまず働いて「カネは二の次」って言っててもカネはちゃんと入ってきてました。

経営の勉強など必要がなかっただけです。

それでもザクザク儲かってたんだもの。

こんなに難しい時代になるとは予想もしなかったでしょう。

でも今は違う。

今は今の商売をしていかないといけない。

厳しいようだけど、職人がどれだけこだわって仕込をしようと

「別に」

なお客様のほうが多くなっちゃったわけです。

コハダの塩が10秒長いとか短いとかを極めても、賞賛されるのは一部の自称すし通と

商売ではなく道としてすし道を歩んでいる一握りの寿司職人だけです。

大多数の街の寿司屋はそこに分け入っても商売にはならないと知るべきです。

誰も悪くないんですよ、適応すればいいだけ。

 

目の前にマーケットは確実にあるんです、お客様は沢山いる。

それに

「職人は商売なんか」って言いますが

食べていけない世界だったら誰もすし職人なんか目指さなかったはず。

カッコよくて稼ぎがいいから、それに憧れて厳しい下積みを乗り越えてきたはず。

カネはいらない、なんて誰も言ってなかったんです。

いらない見栄をすてて

「お客様に喜んでもらってお金も稼ぐ」

という普通の状態に戻しましょう。

 

儲からないのが分かってるなら高い仕入れを辞めればいい。

安い魚だって旨いすしに仕上げる”ウデ”は持ってるはず。

儲かって笑いが止まらないと思えば

忙しくて怒ることなんかなくなるでしょ。

すし職人に定年なし。

我々オッサン職人が引っ張らなきゃどうするよ。

もう一度頑張ろうよ。

このまま衰退してたまるか。

魚の原価に関する公式あれこれ

自分の店の価格帯の中で一番いい魚を仕入れるのが本当の目利き

 

全国のおっさんすし職人に告ぐ。頭を切り替えて儲けを出そう。」への2件のフィードバック

  1. 毛利様 大変参考になる記事でした。ここまで活字にして起こせるとは凄い事だと思います。職人の立場から経営者の立場へ、、私も職人からはじまり近日中に東南アジアのある国で寿司店を開業するので物凄く勉強になりました。ありがとうございます。尊敬申し上げます。s.h

    1. 大分遅く、というよりスルー状態になってしまい申し訳ありませんでした。東南アジアのお店、その後いかがでしょうか。
      私も今は自分の店を始めました。

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